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【活躍】「風の谷構想」を講演、安宅代表が富山で

(富山県人2022年10月号)

 残すに値する未来を創るプロジェクト「風の谷」運動を提唱し代表を務める、慶応大環境情報学部教授の安宅和人さん(54)(富山市水橋町出身)を講師とする「風の谷フォーラム」が9月17日、富山市内で開かれた。県の成長戦略(まちづくり)では、持続可能な空間価値の高い地域づくりを目指しており、その手本となる考え方を聴くもの。「“風の谷”という希望」の演題で、新田八朗知事はじめ県幹部、県内の起業家、一般県民など160人が真剣に耳を傾けた。

 安宅さんは富山中部高、東大院修了。マッキンゼー、ヤフーCSOを経て、現在、Zホールディングスシニアストラテジスト。国の委員も多数務める。

 都市への集中が止まらないことへの問題意識から、人間が自然と共存して豊かに生きることのできる空間形成を目指し、共鳴し合う専門家や大学のゼミ生と取り組んでいる。そのイメージは、圧倒的な価値(絶景)を持つ人口密度の低い「疎空間」で、知的生産をする人々が暮らす。実現に向けての課題や、取り組み方のポイント、空間価値を生み出す要素などを解説した。

 講演後には、氷見市長坂の棚田を見学。県内で自然景観を生かしたまちづくりをする起業家らと意見交換した。