最新号・バックナンバー

【経済】持続可能な事業戦略発表、ゴールドウイン

(富山県人2022年4月号)

 

 ゴールドウイン(本店小矢部市)は新しいプロジェクト「ゴールドウイン・ゼロ」を開始することを発表し、化学繊維や動物素材に依存しない、循環的なアパレル産業の事業モデルに挑戦する。

 渡辺貴生社長は3月24日に開いた事業発表会で「自然と向き合うスポーツアパレル企業として、地球環境に対する存在価値が問われている」と話し、自然環境で分解可能な素材を使用し、さらに資源のリサイクルにも取り組む方針を明らかにした。

 まずは共同開発を進めているベンチャー企業、スパイバー(山形県)が開発する「ブリュード・プロテイン」を使ったシャツやスポーツウエアを今年の秋冬モデルから投入する。ブリュード・プロテインは植物由来の糖類から微生物によって作り出したタンパク質で、遺伝子組み替え技術で複合的な素材の量産化を目指している。

 また、ベンチャーキャピタル「ゴールドウイン・プレイ・アース・ファンド」を設立することも明らかにした。リサイクル技術や環境負荷の低い素材の開発、子どもや地域社会のためのスポーツ事業などに携わるベンチャーに投資する。運用規模は30億円で、4月から開始する。