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【富山】「峠茶屋」の湯のみ大量出土、地名の由来が裏付けられる

(富山県人2023年1月号)

 「峠茶屋」の地名が残る呉羽丘陵で、街道沿いの茶屋の存在を裏付ける陶磁器の湯のみなどが遺跡から出土した。併せて江戸末期から明治中期にかけての北陸道の遺構も見つかった。

 茶屋町と寺町にまたがる明神山遺跡から発見。県道富山高岡線の南側、城山公園の北東側に当たる。

 県道をまたいで呉羽山と城山をつなぐつり橋「呉羽丘陵フットパス連絡橋」(今年8月完成予定)の建設工事に向け、2021年5~7月に市埋蔵文化財センターが遺跡の峠道周辺で発掘調査を実施。湯飲みの破片などが数千点出土し、中には人名や地名が記されているものもあった。文献には付近に茶屋が多数あったことが記されているが、遺物の発見でこれが裏付けられた。

 見つかった北陸道の遺構はいくつかあった東西を結ぶルートの一つ「富山道」とみられる。1878(明治11)年の明治天皇行幸のために新たな道が造成されて以降廃れたと考えられる。

 出土品をはじめとする調査の結果は5月14日まで安田城跡資料館で公開されている。