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【活躍】芥川賞作家の柏原兵三展、寄贈の書簡や原稿公開

(富山県人2022年10月号)

 

 入善町ゆかりの芥川賞作家、柏原兵三氏(1933~72年)の書簡や原稿など5千685点が遺族から県に寄贈され、5年がかりの調査を経て、9月24日から高志の国文学館で企画展が始まった。

 柏原氏は1968年、母方の祖父を描いた「徳山道助の帰郷」で芥川賞を受賞。父の故郷入善町での疎開体験を基にした自伝的小説「長い道」は氷見市出身の故藤子不二雄Ⓐさんが「少年時代」として漫画化し、映画にもなった。

 38歳の若さで世を去って50年。今展では243点を展示し、作家の全貌に迫る。主要作の原稿や草稿、作品の素材となった日記や書簡を並べ、創作過程をたどることができる。出版に至るまでにタイトルが変わったことや、実際の手紙が作品の中で使われたこともうかがえる。

 今回寄贈された資料の約7割が書簡で、幼少時から晩年までの交友や、活動を知る貴重な資料。中にはノーベル賞作家の大江健三郎さんや評論家でドイツ文学者の西尾幹二さんからの手紙もある。

 企画展は12月5日まで。同4日には映画「少年時代」の上映会(無料)が開かれる。