5月に「平和をうたう」コンサート/「被爆ピアノ」に託し平和を考える
(富山県人2025年4月号)
戦後80年の今年、広島に残る「被爆ピアノ」を交えた公演を、昭和音楽大学(川崎市)でアートマネジメントを専攻している富山市出身の広瀬亜実さん(21)が企画し、同大のユリホールで5月3日、「平和をうたう」コンサートを開く。昨年2年次の企画制作演習でプレゼンした内容がコンペで採択され、地元新百合ヶ丘の芸術祭にも組み込まれて、「戦争を知らない私達世代が平和を考えるきっかけとなり、平和の種をまくことができれば」と話す。
発案のきっかけは1年の授業で、沖縄出身の学生が「慰霊の日」に関東では何事もないように人々が過ごしていることにショックを受けたという話を聞き、広瀬さん自身も知らずに、地域間で平和意識に差があることに気づいた。何かできないかなと思っていたところ、昨年元日の能登半島地震を帰省中に体験し、能登の惨状を知ることに。人の力ではどうすることもできない自然災害、人間が起こしてしまう戦争が世界にはあり、平和について考えるようになった。そして、調べていくなかで被爆ピアノを知り、企画が生まれた。
一次コンペを通過した際、「自分がやっていいのか不安」を感じたそうだが、教授の一人から「中途半端な気持ちではできない。しっかりと勉強して形にしなさい」と背中を押され、覚悟を決めた。同じコースで学ぶ仲間と一緒に、プロの音楽家への出演交渉や予算管理、広報戦略などをこなしながら準備を進めてきた。
第1部「ヒロシマ」では、絵本の朗読や、被爆ピアノを維持している調律師さんの話、そしてプロの演奏でその音色を届ける。第2部は「祈り」をテーマに、「平和から連想することは人によって違うので、人権ソングも盛り込み、命が輝く平和な未来を祈る空間が共有できれば」と、客席全員で一緒に歌うことも予定している。
呉羽高校音楽コースに学び、管弦楽部部長としてクリスマス会を企画した経験から組織運営に興味を持った。現在、富山での就職活動をこなしながら、コンサート本番に向け準備も大詰めだ。「平和な未来への祈りを音楽に託したい」と優しく語る。